子ども劇場ってなに?!
1960年代テレビの普及により、子どもたちがテレビによる間接体験に偏り、生の体験による感動が薄くなったとの危機感を感じる社会背景がありました。とくに、生の劇を観る機会の乏しい地方で、子どもたちに生の劇を見せたいと願い、子どもの育ちについて様々な学びを積み重ねていきました。1966年福岡で子育て真っ最中の母親たちが集まり、「子ども劇場」を発足。その後、この運動は全国に広がり、熊本では1972年3月に「熊本子ども劇場」を発足しました。舞台鑑賞だけではなく、季節の遊びの会やキャンプなど豊かな一人一人の育ちを大切にしています。
発足より30年経った2002年にNPO法人として熊本県の認可を受け、地域にひらいた活動を続けています。子ども劇場は乳幼児から高校生・青年までの異年齢の仲間が集い合います。じっくりと人と関わり、活動を積み重ねることで真の生きる力がついていくと確信しています。「子どもにとって、最もよいことを‼」の理念のもとに、子どもの権利条約について大人が学び合う場でもあり、特に第31条:休み、遊ぶ権利(子どもは、休んだり、遊んだり、文化芸術活動に参加する権利をもっています。) について深く学び続けています。
『子どもたちの生きる力を育むために』
①子どもたちは舞台を通して、楽しみ、経験や理解を深め、人生を学びます。
②子どもたちは仲間と関り、共にあそんだり表現する中でコミュニケーション能力を培います。また、他者・自己認識力、伝える力、課題解決力、自己肯定感など非認知能力を形成します。
③文化活動を通して地域のつながりを作り出します。
~子ども劇場誕生から今のママ達へ~
「熊本子ども劇場」初代運営委員長 木下昌子さんが50年前を振り返っての様子です。木下さんは福岡子ども劇場が発足し間もない頃、入会されました。初めて3人のお子さんを連れて劇場に行くという特別な体験、そこで観た人形劇「青い鳥」は子どもはもちろん大人であるご自身も心が揺さぶられたことを今でも覚えているとのこと。そしてご主人の転勤により熊本に越してきて、子ども劇場がないことを寂しく思っていたところ、熊本でも子ども劇場を作りたいと言ってる人がいると聞きつけ、準備委員として関わっていかれました。新聞社に行って子ども劇場のことを記事にしてもらうよう働きかけたり、大学教授に話に行ったりと、とにかく精力的に広報活動に励んでいらっしゃったようです。 80才を超えてもなお、ご自宅での「たき火会」「たけのこ堀り」など四季折々の活動を支え、来年は「そうめん流し」を!といくつになってもやりたい事がある木下さん。真面目に正直に生きていらっしゃる姿に感動しっぱなしでした。
格差が広がる子どもの文化体験
「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」(国立青少年教育振興機構)によると、子どもの頃に「自然体験」や「友だちとの遊び」などの体験が豊富だった人ほど、「もっと深く学んでみたい」という向上意欲や、「人のためになる仕事をしたい」といった社会参画意識、「お年寄りや身体の不自由な人に席を譲る」規範意識などに高い傾向が見られたそうです。
私たち熊本県子ども劇場連絡会は2017年・2018年に熊本県内82か所の小・中学校を対象に学校公演(演劇・音楽鑑賞)の現状のアンケート調査を実施しました。その内、毎年必ず行っている学校は30校ありましたが、全く行っていない学校も20校あり、愕然としました。学校公演が行えない理由に「経費が掛かる。家庭から鑑賞代をもらえない(もらいづらい)。」「日程がとれない。」など多数ありました。担当の先生が補助金の申請をして鑑賞の機会を作れる学校もありましたが、全体的にみても、子どもたちの文化体験の機会は減っていると言えます。
2016年震災後すぐに、全国の皆様方からいただいた寄付金で熊本地震災害文化支援事業として、県内40か所以上の保育園・こども園、学童保育などで人形劇やパントマイム、弦楽コンサートなどを開催し、子どもたちが安心できる心の居場所づくりをめざしました。現場の保育士の方や職員の方が「はじめてリアルな舞台を鑑賞しました。」とか「公演料が高くて、普段は開催出来ない。」など未就学児や低学年の子どもたちにも文化体験の機会が存在しにくいということが分かりました。
また、保護者の経済的困難な状況が子どもの体験格差に反映しているのは明らかで、児童養護施設の子どもたちにおいては尚のことであり、自己肯定感を育む舞台芸術の鑑賞体験の機会を保障したいと考えずにはいられません。
3つの柱(3つの生きる力)を軸に
舞台鑑賞活動
舞台を観る楽しさは、子どもたちのワクワクドキドキの体験です!
子ども劇場では、定期的に子どものための舞台鑑賞を行います。
子ども劇場で観る作品は、次のような点が特徴です。
- 年齢に応じた作品選び
- 児童劇として評価の高い作品選び
- 演劇・音楽・人形劇・伝統芸能など幅広いジャンル
子どもたちの感性の発達は、思考力、判断力、実践力につながっていきます。 舞台鑑賞は、感性を伸ばし、子どもの内面の活動を活発にします。
地域・体験活動
子ども時代を豊かに生きる体験がいっぱいです!
キャンプや川遊び、自分たちで考えた運動会、劇あそび、ミュージカル、 楽器で遊ぶ・・・ などなど、各劇場や各地域で楽しいプログラムがたくさん! 自分たちでやりたい企画もどんどん出てきます。
地域公演
子どもの豊かな心を育む、子どものための地域公演
地域の中で、地域の友だちや、地域の大人たちよ、身体を寄せ合い、ワクワクドキドキを共感できる、そんな空間が「子どものための地域公演」です。
詳しくはこちらから
[ 舞台・活動予定』のカテゴリー「地域公演」から活動予定がご覧になれます
熊本県子ども劇場連絡会 について
1972年3月に熊本に子ども劇場が生まれ、その後県内の各地域に誕生していきました。
2002年にNPO法人として熊本県の認可を受けました。
<目的>子どもの健全育成をめざし、熊本県の子どもと住民に対して、文化芸術活動への参加の促進を図るとともに、地域の文化芸術環境の創造を推進することにより、子どもの真の生きる力を育むことを目的とします。
<構成>
理事15名、監事2名、正会員6団体で構成
<団体正会員>
熊本市子ども劇場
やつしろ子ども劇場
熊本北合志市子ども劇場
ひとよしくまこども劇場
うきっ子たのしい!!会
山鹿こどもあーとらぼ
入会案内
熊本県子ども劇場連絡会は、皆様一人一人のご支援によって成り立っています。
会員としてのご参加をお待ちしています。
・正会員
団体A(構成会員100人以上) 会費50,000円
団体B(構成会員100人未満) 会費25.000円
個人 30,000円
・会員 団体・個人 会費5,000円
・賛助会員 団体・個人 会費30,000円
※すべての会員の方に定期刊行物を送付いたします。
※会員の方に 舞台公演の招待券1枚をお渡しします。
※入会ご希望の方は、会員種別(会員・団体 個人/賛助会員・団体 個人)を明記の上、下記にお振込みください。
【振込先】
熊本銀行 中央支店
普通預金口座 0301890
特定非営利活動法人 熊本県子ども劇場連絡会
「はーと&あーと基金」(地域公演サポート寄付)のお願い
「はーと&あーと基金」は、コロナ感染症拡大の中で、またそれ以降の子どもたちへの心のサポート事業として地域公演を位置づけ、県内の子どもたちへきめ細かに舞台が届くように願って、これまで以上に公演の機会を創っていきたいと思っています。具体的には、主催団体へ直接的な支援としてこの基金から補助をしていきます。どうぞ、皆さまからのより一層のご支援をよろしくお願いいたします!!
心と心がアートでつながり、子どもたちの地域に安心の笑顔が広がることを願っています。
どうぞ活動を支えてくださいますようお願い申し上げます。
「はーと&あーと基金」 1口:1000円
【振込先】
①熊本銀行中央支店 普通銀行口座 0301890
②郵便振替 01950-1-1036
<特定非営利活動法人 熊本県子ども劇場連絡会 理事 中島久美子>